パンケーキの夢を追い続けるパンケーキママと、voivoiファミリーの記録


by pancakemama2
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カテゴリ:voivoiができるまで(連載)( 20 )

c0159301_1528464.gif「私のカフェができるまで」の記事は、
2006年8月にOPENした、「パンケーキママカフェ voivoi」ができるまでの道のりと、現在の様子を、2007年5月から、旭屋出版さんの「カフェ&レストラン」に、連載させていただいていたものを、順次アップしています。
これから、カフェ開業を目指している方の参考になれば、幸いです。


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by pancakemama2 | 2011-01-01 15:20 | voivoiができるまで(連載)
〇夜モテ、パンケーキ!

c0159301_22405818.gifvoivoiは、木・金曜日の夜に限って、21時まで営業しています。

18時~19時台に予約のお客様が数組入り、あとはフリーのお客さんが次々とやってきます。

日によって、お客さんの入りはマチマチですが、時には満席になることもあります。

数人で来て、食事系からデザートまで、数種を注文されて、みなでシェアするグループもいれば、ゆっくり過ごす、お一人様の女性も多いですね。

でも、昔に比べて、「パンケーキで食事をする」という方が増えている気がします。
ラストオーダー近くに入店されて、オムレツやチーズのパンケーキを注文される方も、結構いるのです。


とはいえ、こんな現象も、最近のこと。
「パンケーキ屋は、夜は流行らない」。その言葉通り、voivoiにも、寂しい夜が続く時代がありました。

voivoiがオープンしたてのころ。
営業時間は、毎日、夜の22時まででした。

朝食か、おやつ程度にしか考えられていなかったパンケーキ。
実際に、オープン前に視察した他のお店は、夜になるとみんなガラガラ。
本場アメリカの「パンケーキハウス」などは、完全に朝型で、夕方16時には閉店してしまいます。

それでも私は、何とかパンケーキを「1日中食べられるもの」にしたかった。
昼に限らず、ディナータイムにも、パンケーキを取り入れたかった。

ボリュームのある「食事系パンケーキ」に、力を入れたのもそのためです。
流行のカフェは、1日中、同じメニューが、時間に関係なく、いつでも食べらる。
そんな自由な勝手の良さも、そのカフェの魅力でしょう。

パンケーキも、食べる時間にこだわらない自由なフードにしたい。
だから「22時まで営業」にチャレンジしたのです。

さらに私は、「お酒とパンケーキのマリアージュ」もたくらんでしました。
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実は、オープン当初、voivoiの夜メニューには、「カクテル&ミニパンケーキ」というセットがあったのです。

自分では「なんてお洒落なのかしら」と、一人悦に入っていたのですが、これが、もうほとんどウケず、飛ばず(笑)。ちょっと先走り過ぎたもよう。
わずか3ヶ月でメニューから消え、まぼろしに終わってしまいました。

そして、実際の夜の営業はというと、予想通り、昼に比べると、お客様はガクンと減ってしまう。
18時以降は、私とアルバイトの2人体制でしたが、ポツリポツリというお客様の姿に、「これでは人件費も出ないかも」、「やっぱり、夜にパンケーキなんて、食べないのかしら」と自信をなくす日々・・。

○赤字になっても、続けたい!

「パンケーキ以外のメニューもやったら?」
そんな悪魔のささやきも聞こえてきました。

しかし、「だめだめ!専門店が、それをやったらおしまい!」です。

ぐっと踏ん張りながら(意地を張りながら)、夜を過ごすこと半年あまり。
しかし、ついに、私は白旗を上げざるを得なくなりました。
「木・金曜日の夜だけ、21時まで営業。他の日は20時まで」と営業時間を改定したのです。

もちろん、「1日15時間労働」という、私の体力的限界もあったのですが、夜の営業にかかるコストと、売り上げが見合わないという現実は、店の経営も圧迫し始めました。

それでも、「木・金だけでも21時」にこだわったのは、voivoiのファンになってくれたお客さんが、夜、仕事が終わってからもvoivoiに来てもらえるように。
たとえ、その日が赤字になっても、それは続けていきたかったのです。

「今日1日のご褒美に、パンケーキを食べる」。
「voivoiに行って、幸せになる」
voivoiがそんな場所であってほしい。

そして、ちょうど1年前。スタッフの中には、仕事がよくできて、私がいなくても店を任せることができそうな人材が育ってきました。

私は、夜の営業を、そのスタッフたちに任せて、できるだけ早く帰宅することにしました。
私の体力的負担も、これでちょっと緩和できそうでした。

ところが、ちょうどそのころから、少しずつ夜のお客さんが増えだしたのです。

あのオープン当初のことを思えば、夜に満席になることなど、夢のような話です。

おかげで私は、木・金曜の夜、帰りそびれてしまうのですが、その代わりホールに出てみると、どんなお客様が来ているのか、どんなものを食べているのか、間近に感じることができました。

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そして、夜の営業をやめないでよかったと思うのです。

相対的にみれば、もう「毎日夜22時」に戻すことはできません。

でも、夜、パンケーキを食べることに抵抗がない人たちが増えてきた今、もっと「夜」を楽しむメニューのことも、考え始めています。

そう、たとえば、あのまぼろしに終わった「カクテル&ミニパンケーキ」のような?(笑)。

ワインとチーズ、パンケーキとのコラボも企画してみたい!

「パンケーキのあるシーンを、もっと楽しく、幸せに!」。
パンケーキには、まだまだその可能性が広がっているのです。

(つづく)
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by pancakemama2 | 2010-04-21 00:19 | voivoiができるまで(連載)
〇取材のなくなる日・・

以前、この連載で、「過去に取材が50件以上あった」という話を書きました。
それに対して、いまはどうでしょう?

今年になって、取材の依頼は激減しました。
これから年末にかけての取材は、もうほとんどありません。
さぁ、voivoiは、これからどうなっていくのでしょう?

実は過去、たくさんの取材のいただきましたが、
それは時期によって、取り上げられ方が異なっていました。

c0159301_1324286.jpgまず1年目。
「食事系パンケーキ」が注目された年でした。

これまで、おやつ程度のフードと考えられていたパンケーキが、チーズや肉、野菜をふんだんに使った、食事メニューとして登場したこと。
それも、ワインやビールなどのアルコールにも合う「大人のパンケーキ」が「新しいトレンド」として、取り上げられたのです。

特集を組んだ媒体も、TVでは「王様のブランチ」、雑誌では「東京ウォーカー」、ビジネス誌では「日経トレンディ」などでした。

そして2年目。
「スイーツとしてのパンケーキ」にスポットが当たりました。

ちょうどドーナッツやカップケーキのブームと重なり、「粉ものスイーツ」というジャンルが、注目されるようになったのです。
媒体も、グルメ本や女性誌が中心でした。

2年目の後半は、カフェ本や、地域情報誌などに、「パンケーキで評判のカフェ」「地元でおすすめのお店」として、紹介されました。

また、ビジネス誌などでは、「モノが売れない時代に、マニアな店が流行る」という視点で取り上げられたりしました。

さぁ、こうやって書いてみると、ネタは、もう出尽くした気がしますね(笑)。
「取材が来なくなったらどうしよう。ブームが終わったらどうなるんだろう?」。
・・それは、漫然と抱いていた不安でした。
そして、ついにその時が来たのです!

ただ、いまのところ、取材がなくなったからと言って、急にお客さんが減ることはありません。
また、パンケーキが、打ち上げ花火のように、パッと咲いて散るような、ブームがすぐに終わるようなものとも思えません。

むしろ、今年に入って、東京以外の地域で、パンケーキ専門店がオープンしたという噂を、あちこちで聞くようになりました。
東京で成熟してきたパンケーキのマーケットが、少しずつ地方に広がり始めたのです。

かつて一大ブームを起こした「ティラミス」が、デザートとして定番になったように、「パンケーキ」も新しいジャンルとして、これから末永く愛されると、私は信じています。

ブームとして、取り上げられることが減れば、「お客さんが押し寄せる」ことは、もうないかもしれません。
でも今までのお客さんで、10人のうちひとりでも、「パンケーキっておいしい」「また食べたい」と思ってもらえれば、パンケーキは生き残ります。

そして、voivoiのこれからの道は、こうした「パンケーキ好き」の人たちの期待を、裏切らないこと。「美味しいパンケーキなら、voivoi」と言ってもらえ続けることです。

また、パンケーキ好きのお客さんは、パンケーキに夢を持っています。
これからも、パンケーキの夢を発信し続けて、そうしたお客さんに喜んでいただくことです。
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(つづく)

※この記事は、「カフェ&レストラン 12月号」(2008年)に掲載させていただいたものです。


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by pancakemama2 | 2008-12-03 13:18 | voivoiができるまで(連載)
〇「おばぁちゃんも、ウェルカム!」

「voivoiは、どんなお客様が多いのですか?」
取材などで、よく受ける質問です。

c0159301_13134367.jpgパンケーキというと、当然若い女性が多いのですが、オープンして分かったことは、意外に、年配の方にも人気だということ。
それも、お年寄りの受けがいいのです。

ある日は、87歳というおばぁちゃんが、娘さん(もおばぁちゃん)と一緒にやってきました。
そして「チーズフォンデュ・パンケーキ」を注文されたのです。
「大丈夫かしら。食べられるのかしら」と心配していると、「お箸を下さい」というリクエスト(笑)。

「はい、はい!」とお持ちすると、お箸を上手に使って、パンケーキを切り分け、パクパク召し上がり、なんと完食されました! 
キッチンでは、密かに拍手喝采!

三軒茶屋という場所がら、下町なので、お年寄りも多いのですが、店の前を通りかかるおばぁちゃんたちも、興味津々で店を覗き込んでいきます。

「おばぁちゃん、どうぞ、ウェルカム!」
おじいちゃんより、おばぁちゃんが多いのは、やはりいくつになっても、女性は、食へのあくなき探究心が強いのでしょうか(笑)。

でも、考えてみれば、「パンケーキ」は、年配の方から見れば、「ホットケーキ」のようなもの。けっして馴染みがないわけではありません。
しかも、とっても柔らかいので、歯の弱いお年寄りにも、楽に食べられます。

気に入っていただいたおばぁちゃんが、「今度は、孫を連れて来るわね」と言って、お孫さんとツーショットで来ることもあります。

また、「うちのおばぁちゃんは、ホットケーキが好きだから」と言って、親子3代の大家族で、ご来店される方もいます。

パンケーキって、なんて素敵な食べ物なんでしょう!

まだまだパンケーキは、認知され始めたところですが、もしかしたら、地方に行っても、ちゃんとお年寄りのニーズを確保できるかもしれません。

ただ「量が多くて、食べきれないわ」という声もしばしば。「キッズ・パンケーキ」ならぬ、「シルバー・パンケーキはないの?」というリクエストの声もあり。
うーん、これは、ちょっと難しい。検討課題です。


〇子供たちの未来にも、パンケーキを

さて、そんなお年寄りにも愛されるパンケーキですが、もちろん、お子様にも大人気! 
店の前で、「パンケーキ食べた~い!!」と叫んでいる子供の手を引いて、ドアから引き剥がそうとするご父兄もしばしば(笑)。
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voivoiでは、そうしたお子様に食べてもらおうと、オープン当初から、キッズメニューを用意しています。ミニパンケーキに、アイスクリーム、フルーツ、ジュースが付いた、とってもお得なセット。

パンケーキには、粉糖で、パンケーキママの顔が描いてあるので、席に運ぶと、「わ~可愛い!」とお子様も、お母さんも大喜びしてくれます。

ただ、「お子様ウェルカム!」の店には、いろんなリスクもあります。
ジュースや食べ物をこぼされたり、備品が壊されることは日常茶飯事。お母さんの元を離れて、店内を歩きまわる子供たちは、こちらも目が離せません。

また、voivoiでは、ベビーカーもOKなので、赤ちゃんの泣き声が始まると、小さな店内は騒然。他のお客様のことも気になります。

最近のカフェの中には、「12歳以下のお子様は、お断り」としているところも増えています。
それって、私もよく分かります。

店側の理由もありますが、お客様の中には、「せっかくカフェで、ゆっくりお茶をしようと思っているのに、子供が気になって落ち着かない」という方もいらっしゃるでしょう。
voivoiでも、お子様の隣は避けたいというお客様もいます。

でも、私は願うのです。
週末、小さな子供たちが、パパやママに連れられて、嬉しそうにパンケーキをほおばっている家族の光景は、見ているこちらも微笑ましい気持ちになります。

voivoiでパンケーキを食べた子供たちが、将来大人になったとき、楽しかった子供のころの家族の思い出のひとつに、voivoiのパンケーキがなってほしい。

子供たちが、大人になったころ、voivoiはあるかどうか分からないけど、大人になって、どこかでパンケーキを食べた時、その幸せな記憶が蘇ってほしい。
そう、パンケーキは、人を幸せにする食べ物、だから。子供たちの未来にも、幸せなパンケーキがありますように!

「子供からお年寄りまでに愛されるパンケーキ!」
この20席足らずの小さな店で、この幅広い客層を受け入れようとするのは、欲張りな願いかもしれません。

でも、パンケーキを通じて、見知らぬお隣さんとも、世代を超えて、幸せを共有できれば・・・、こんな嬉しいことはありません。
(つづく)

※この記事は、「カフェ&レストラン 11月号」(2008年)に掲載させていただいたものです。
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by pancakemama2 | 2008-11-03 13:08 | voivoiができるまで(連載)
〇常識外れ?

voivoiは、8月5日で2周年を迎えました。
ここまでの道のりは、短いような長いような、でもやっぱり「まだ2年!」という感じでしょうか。
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この間、定休日が変わること1回、営業時間が変わること3回。スタッフも、初期のスタッフは、もう誰もいません。そして、メインのパンケーキの配合も、営業しながら、さらに改良を加え、2回ほど変わっています。実にめまぐるしい毎日・・。

それでも、おかげさまで、お客さんの数は、前年比2割増くらいで、伸びているでしょうか。「パンケーキ」イコール「voivoi」と認知してもらえるようになったと自負しています。

それも「焼きたて」に徹底してこだわったことが、功を奏した気がします。今回は、ちょっと「こだわり」のお話を。
voivoiがオープンする前、店の物件は、スケルトンでした。これが大きく予算を狂わすことになったのですが、好みの内装に設計できる、という魅力がありました。

私がこだわったのは、「店の入口にグリドル(パンケーキの焼き台)を置くこと」。それまで、パンケーキやホットケーキの店を多く食べ歩いていましたが、焼いているところが見られる店は、あまりなかったのです。

でも、専門家の先生たちは、物件を見るやいなや、「この間取りなら、入口に客席をとって、キッチンは一番奥がいいね」と言います。

たしかに、排気口やガスなどの位置を見ても、キッチンは奥が正解。入口に客席が見えた方が、お客様も入りやすいのです。

でもでも、ど~しても、私は、入口にグリドルを置きたかった。
だって、パンケーキ専門店、それも「焼きたて」を謳うなら、絶対焼いているところを見せなきゃ!

頑固に主張した結果、工事費が嵩んで、内装費はさらに膨れ上がることに・・。
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そして、肝心のグリドル。よく飲食店関係者と思われる方から、「このグリドルはどこのですか?」と聞かれますが、はい、実はアメリカ製です。

米国で、実際にパンケーキやハンバーガーのチェーンが使っているという本格的なもの。熱源は電気ですが、中に水蒸気が回っていて鉄板を温める仕組みなので、鉄板の温度はどこも均一、焼きムラが全くないという優れものです。

オープン前に、輸入代理店のテストキッチンで、試しに焼かせていただきましたが、その焼き上がりの美しさに、ともかく感動! もう私の頭には、実際の店で、お客様の目の前で、可憐な手さばきでパンケーキを焼く自分の姿が浮かんでいました。

「はい、これ買います!」と即決。しかし、そのお値段も半端ではなかった。「ひゃくすうじゅう万円」と、国産のグリドルの2倍から3倍です。
またしても、経費はさらに、膨れ上がることに・・。

全く、たかだか20席たらずの小さなカフェに、いったいいくらかけるつもりなんでしょう。この初心者、尋常じゃありません。

ただ、この投資は正解でした。店に入ってくるお客さんは、実際にパンケーキが焼かれている様子を目の当たりにして、みな歓声を上げます。子供たちは喜んで、ガラス越しにへばりつきます。

私も、高性能なグリドルのおかげで、次々入ってくるオーダーを、ほとんど失敗なくこなせます。
でも、たまに、ひっくり返すときにへまをして、お客さんにそれを目撃される、という格好悪い場面もありますが(笑)。

〇「ランチありません!」

c0159301_135226.jpgかくして、「焼きたて」を印象づけることに成功しましたが、そのこだわりゆえ、捨てたものがあります。それは「ランチ」です。

はい、うちには、ランチタイム、ランチメニューというものがありません。
ランチというのは、できるだけ短い時間で提供し、かつ回転率もよくなければ、利益を上げられません。

でも、どんなに高性能のグリドルでも、一度に焼けるのは4人分。注文が入ってから、粉を混ぜて、焼いて、なんてことをやっていると、提供まで10分くらいはかかるのです。

仮に、パンケーキを焼き置きしておけば、時間は大幅に短縮できるでしょう。けれど、またしても頑固な私は、絶対それはしたくない。

「専門店なんだから、ランチがなくてもいいじゃない」という勝手な理由で、ランチはやらないことに決めました。オールタイム、同じメニュー、価格です。

お客様から見れば、お得感のあるランチがないのですから、お昼を食べようとすると「なんだか高いわね」になります。実際に、三軒茶屋のカフェや飲食店のランチ価格は、だいたい800~1000円。それが、うちではドリンクセットで1300円。実に強気です。

当然のごとく、地元のサラリーマンやOLさんたちのランチ需要は、見込めません。それでも、「この店は、こういうもの」と思っていただけるようになったのか、いまではお昼時でも、たくさんのお客様が来店するようになりました。OLさんたちも、お給料日の後に、「ちょっと自分にご褒美」と来てくれます。

こう書くと、すべて結果オーライなんですが、周りから見れば、常識外れのところがたくさんあって、はらはらしたことでしょう。でも、自分のこだわりには頑固に徹する、ということが、最終的にお客さんにも伝わったのだと思います。

ちょっとでも焼き損じたり、オーダーミスでロスがでてしまったパンケーキ、焼き上がってから3分以上たったパンケーキは、即、裏のパントリーに直行。voivoiファミリーたちのおやつになります。

おかげで、うちのまかないは、「パンケーキ食べ放題!」。最近は、これに味をしめて、「今日はパンケーキないの?」と催促されることも・・。
まぁ、飽きずに食べてくれるのですから、私も幸せです(笑)。
(つづく)
※この記事は、「カフェ&レストラン 10月号」(2008年)に掲載させていただいたものです。
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by pancakemama2 | 2008-09-03 12:52 | voivoiができるまで(連載)
○毎日、シフトとにらめっこ

前回に引き続き・・
「お店をオープンして、大変だったことは何ですか?」
イチに体力、二に体力!
そして、サンは「人」です。
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voivoiは、20席足らずの小さな店です。最初は、私と妹、あとはもう一人いれば、十分やっていけると思っていました。

ところが、あれよ、あれよという間に、どんどん忙しくなって、いまは、週末ともなれば、この小さなお店が1日5~7回転します。
お客様はひっきりなしにやってきて、行列ができることもあります。
とくに妹がいなくなったいま、他のスタッフがいなければ、とても回っていきません。

たとえば、パンケーキを焼きながら、盛り付ける人(これは私)。その盛り付けのサブをする人。ドリンクを作って、洗い場をする人。ホールで接客する人。そのほか、足りなくなった食材の仕込みなど。--繁忙時には、最低でも4人必要です。

いつも、「なんで、こんな小さな店に、こんなに人手がいるの?」と、自問するのですが、どう考えても、必要なんですよねぇ・・。要領が悪いんでしょうか?(笑)。

そんなわけで、週末を中心に、毎日きっちり3人のアルバイトを確保しなければなりません。
シフト表とにらめっこしながら、「ここはダレ、そこはダレ」と埋めていく。「あーここは、人がいない!」とあわてる・・。

最初のころは、募集をかけても、なかなか思うような人材が集まりませんでした。しかも、せっかく決まったと思ったのに、当日姿を現さなかったり、1度だけ来て、そのあとパッタリ・・なんてこともあります。

はたまた、急に、風邪でお休みしたりするスタッフがいると、もうてんやわんや。
電話で、「はい、大丈夫ですよ。お大事にね」といいながら、内心は「えらいこっちゃ。ど~する?」と、心中穏やかではありません。
急いで、その日お手伝いしてくれそうな心当たりに、電話やメールを送りまくる。

は~ぁ、人を確保するというのは、かくも大変ですねぇ。

○夢が大きくなる「voivoiファミリー」
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そんなこんなで、いまvoivoiには、常勤、非常勤を含めて、10人くらいのスタッフがいます。
そして、そのスタッフを、うちでは、「voivoiファミリー」と呼んでいます。
私が「パンケーキママ」なので、みんなは、そのファミリー(笑)。

お店を始めて、人を雇うことの難しさを痛感すると同時に、スタッフの有難さもしみじみ感じるようになりました。
数ある働き口のなかから、うちを選んでくれたこと。これはもう立派なご縁です。

ただのアルバイトと雇い主の関係ではなく、末永くお付き合いできる関係でいたい。お互いをファミリーのように大切に思いやれる関係でいたい。

そして、「パンケーキママ」のワールドに、足を踏み入れたお客様を、家族のような温かなおもてなしで、お迎えしたい。

あのディズニーリゾートでは、お客様に感動を与える仕事として、従業員のことを「キャスト」と呼んでいますよね。
うちも「ファミリー」と呼ぶことで、みんなの気持ちがひとつになれば、と思っているのです。

実際に、ファミリーたちは、とっても仲がいいのです。よく女性ばかりの職場では、人間関係が難しいといいますが、voivoiには、そんな雰囲気は、全然ありません。年齢も、20代から50代までと幅広い女性たちが集まってますが、違和感もなく、和気藹々と働いています。
そして、なによりみんな、気立てが良くて、働き者!(そして美人!笑)
これが、まぁ、私の自慢といえば、自慢でしょうか。

でも、「あぁっ、痛っ!」と思うこともあります。
それは、いよいよカフェ独立のために、うちを卒業していくファミリーがでること。

朝から晩まで一緒に働いて、仕事もほとんど覚えて、有力なスタッフとなった人材が、いなくなってしまうこと。これは、お店にとって、かなりの痛手です。

でも、私も、たくさんの人に助けられて、夢を実現してきました。「今度は、私が、彼女たちの応援団にならなければ!」と、いまでは思っています。

夢のバトンを、次の世代に渡す。そうやって、また夢が大きくなっていけば、嬉しいのです。
今年は、もう2人、うちから独立して、カフェを開業しました。そのふたりの活躍は、ほかのvoivoiファミリーたちにも、刺激を与えています。もちろん、私にも!

正直にいえば、またイチから人を募集して・・と思うとシンドイですけどね。でも、こうやって縁が広がれば、いつか「voivoiファミリー」は、可憐なる「voivoi一族」に発展できるかもしれません!ちょっと楽しみです(笑)。
(つづく)
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※この記事は、「カフェ&レストラン 7月号」(2008年)に掲載させていただいたものです。
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by pancakemama2 | 2008-08-29 22:07 | voivoiができるまで(連載)
○3ヶ月目には倒れます!

「お店をオープンして、大変だったことは何ですか?」
よく聞かれる質問です。

そりゃーもう、イチに体力、二に体力、です。
よく「飲食店は肉体労働」と言われますが、こんなにキツイとは思ってませんでした!
旅館の仲居さんをやったこともあります。真夜中働くボランティアもやったことあります。でも、もー、生まれてこのかた、こんなに働いたことはありません!(笑)。
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「飲食店のオーナーは、3ヶ月目に倒れる」
というセオリーもあるそうですが、私もある晩、倒れました!
それまで、まだ定休日がなく、朝の9時から夜の12時まで、立ちっぱなしで店にいましたから、無理もありません。

むくみあがった私の足を見て、母は「このままじゃ腐っちゃうわよ!」と脅かしました。体重は5キロ近く落ちました。
そして、朝、枕から頭が上がらなくなりました。

それで、一方、売り上げは・・というと、20席足らずのカフェですから、大層なことはありません。しかも当時ですでに、3~5人のスタッフを抱えていました。

私のお給料はというと、これまた「これまでで、一番低い時給」です(笑)。
よく「これだけの時間を、もしよそで働いていたら、私はお金持ちになっちゃうのになぁ」なんて思いながら働いていました。

それでも、飲食店をやる魅力はどこにあるのか・・。
「食べ物を通して、人を幸せにしたい!」というのが、私の長年の夢でした。

○幸せな食べものとは・・

c0159301_15236.jpgお店をオープンする2年前。私は心身ともに疲れ果て、落ち込んでいる時期がありました。その日も、病院の帰りで、ぐったりしながら友人と居酒屋にいました。

そこで、なにげなく口に運んだ「肉じゃが」のことが、いまでも忘れられません。

それは、どこにでもある普通の肉じゃがでした。でも、口にいれたとたん、舌の上でほろほろと崩れて、何ともいえない甘さが、じんわりと舌に染みこんでいきました。

その瞬間、こらえていたものが堰を切ったように、涙が溢れ出てきたのです。一緒にいた友人は、私が突然泣き出したので、びっくりしたことでしょう。でも、私はその切ない甘さに酔って、しみじみ泣いていました。

偶然、その後ヒットした日本映画「かもめ食堂」にも、似たような場面がありました。
心に傷を負って、フィンランドにやってきた女性が、主人公サチエの家で、夕飯をご馳走になります。それは普通のご飯とおかずという日本食でしたが、ご飯を一口、噛み締めた女性は、ほろりと涙を流すのです。あぁ、きっと彼女の心の緊張も、この一口のご飯でほどけていったのでしょう。

人によって、それぞれのシチュエーションで、食との出会いや感動があります。
特別おいしいものではなくても、感動することもあれば、高級グルメでも、心に響かないことはあります。

「食の幸せ」とは、いったいどんなものなのでしょう。究極では「家族で囲む食卓」かもしれません。

私が、お店を開くとき、「パンケーキ」を選んだのは、あの丸い素朴な食べ物が、子供から大人まで、世界中で愛されているものだから。そして、子供のころ読んだ、絵本の中の憧れの食べ物だったから・・でしょうか。

voivoiをオープンして1、年以上たちましたが、ある日、スタッフがこんなことを言いました。

「ソファ席のカップルのお客様、最初けんかしながら入ってきて、険悪な雰囲気だったんです。それが、パンケーキを持っていったら、彼女の方が急ににっこりして、”パンケーキって、なんだか幸せな気持ちになるよね”って、彼に言ったんです」

--その後は、もう聞かなくても分かりますね。そのお二人、きっと仲直りしたに違いありません。
(つづく)

※この記事は、「カフェ&レストラン 6月号」(2008年)に掲載させていただいたものです。
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by pancakemama2 | 2008-07-03 00:56 | voivoiができるまで(連載)
○パンケーキブームがやってきた?!
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voivoiをオープンしてから、2ヶ月目。
何気なく、インターネットを開いて、びっくり!
gooというポータルサイトの「キーワード検索ランキング」で、ウチの「パンケーキママカフェ」が1位になっているではないですか!これはいったい何ごと?
どうやら、ネット上でウチの店が紹介されたらしいのです。

ほどなくして、「王様のブランチ」という人気TV番組から、取材の申し込みがありました。
番組で放映されたのは、うちの店とほかのパンケーキ専門店2店ですが、その週末は、店の前に行列ができる騒ぎに。。
さぁ、スタッフも私もてんてこ舞い。TVの影響って、本当にすごい!!

そして、そのあとも、雑誌や新聞、専門誌などなど、あらゆるメディアの取材申し込みがどんどんやってきます。
これは、ついにパンケーキブームの到来?!

「パンケーキなんてだめだよ」と言われ続け、それでも「私が好きだから」という一心で始めたパンケーキカフェ。
「きっときっと、ほかにも好きな人、興味のある人はいるはず!」と信じていたことが、いま大きく世の中に広がろうとしていました。

もちろん、それは私だけでなく、すでに「パンケーキデイズ」や「チャプチーノ」、横浜の「モトヤパンケーキリストランテ」など、実力派のパンケーキ専門店が、次々とオープンし、パンケーキ人気を盛り上げていたことが、起爆剤になったのでしょう。
そう、私は、そこにタイミングよく、ぴょんと便乗させていただいたのです(笑)。

c0159301_2143180.jpgまた、折りしも、私を含む新興のパンケーキ専門店のコンセプトは、「食事になるパンケーキ」「大人が食べるパンケーキ」でした。そこが、新しもの好きのマスコミ心をくすぐったのかもしれません。

甘いスイーツ系のパンケーキより、ワインやビールと合う、「新トレンド・食事系パンケーキ」が、いろんなメディアに取り上げられるようになりました。

うちの「チーズフォンデュ・パンケーキ」も、よくワインとツーショットで、写真に納まっていたものです(もちろん、そういうお客さんって、けっこういるんですよ)。

○メディアは麻薬?

でも、こうした現象は、一方で不安にもなりました。
「パンケーキを日常の食べ物に!」が私の願いでした。だから、多くの人にパンケーキを食べてもらえる機会が増えたことは、とても嬉しい。

でも半面、ブームになることの怖さも感じました。なぜなら、バブルと同じで、ブームは必ずはじけて終焉を迎えるからです。
「パンケーキを一時のブームにしたくない」
「末永く、みんなに愛される食べ物であってほしい」
あぁ、これは、ジレンマです。

また過剰にメディアに露出することの怖さ、も感じました。
今までとは違った、色々なお客さんがやって来ます。
パンケーキは、注文が入ってから、粉を溶き、一枚一枚丁寧にグリドルで焼きます。最初のころは、慣れない手際の悪さも手伝って、お客さんを随分お待たせしました。
中には怒って帰ってしまうお客さんや、「サービスが行き届いていない」と指摘されたこともあります。そんなときは、さすがに落ち込んみました。

そして、何より辛いのは、、お客さん一人ひとりの顔を、ちゃんと見れなくなってしまったこと。
いつもカウンターの影から、食べているお客さんの姿をこっそりとのぞいて、「うん、美味しそうに、幸せそうに食べてくれているな」と、幸せな気持ちになってる私。

それが、気がつけば、顔を上げる暇もなく、パンケーキを焼いている。
「うーん、これが私の求めていた、理想とするお店の姿だろうか?」と自問する日々。

c0159301_2263666.jpgまた「メディアに出る=お客さんが増える」という効果は、お店にとっては、麻薬です。
この麻薬の味をしめてしまったらキケン。自力で頑張っているつもりでも、知らず知らずのうちにメディアに依存してしまっているのです。
「取材が来なくなったらどうしよう」と、それはそれで不安になったり。。

よく「取材はお断り」というお店ありますよね。その気持ち、よく分かります。かといって、きっぱり「お断りします」という勇気もない私(笑)。

さすがに、もう、TVの取材はお断りするようにしましたが(もともとTV向きのキャラではないので)、お店のHPやBlogでも、「○○の雑誌に載りました!」という告知は、一切しないようにしています。
だってね。あくまで、ひっそりこっそり、営業していたい(笑)。
「そういえば、載っていたね」ぐらいで、ちょうどいいんです。

それでも、現在まで、ありがたいことに、まだ取材のご依頼をいただきます。先日、これまでに掲載された雑誌や本、新聞の数を数えてみました。その数ざっと50余り!

うーん、なんだかんだ言いながらも、やっぱりメディアに支えられてきたんですねぇ。恵まれたスタートを切れたことに、感謝せずにはいられません。
(つづく)

※この記事は、「カフェ&レストラン 5月号」(2008年)に掲載させていただいたものです。
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by pancakemama2 | 2008-05-05 01:57 | voivoiができるまで(連載)
「いつ頃から、カフェをやろうと思ったんですか?」
よく聞かれる質問です。
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いまの「パンケーキ・カフェ」は、開業の1年前から、具体的なプランを立て始めました。でも、実は8年前にも「カフェをやろう」と決意したときがありました。

そのとき、門を叩いたのが、女性の起業家支援団体「WWBジャパン」です。
その名の通り、女性の起業を応援してくれる市民団体で、起業相談から、ビジネススクール、応援イベント、市民バンクの融資まで、きめ細かいサポート体制が揃っています。

同時、お金のなかった私にとって、とくに魅力だったのは、「市民バンク」。事業計画が認められれば、融資が受けられます。意気揚々と「ビジネススクールの実践コース」を申し込んだ私は、一気に開業!を夢見ていました。

でも、現実は、そう簡単ではなかった!(笑)。
同時私が考えていたのは、実は、パンケーキではなく、「ベーカリー・カフェ」。「焼きたてのパンに、野菜をたっぷり使ったメニュー」がコンセプトです。
ところが、授業の中で、みんなのプレゼンテーションを聴いて、具体的な事業計画を練り上げていくうちに、自分の中で「?」マークが付きはじめてしまった・・。

いま思えば、「自分が本当にやりたいこと」ではなかったんですね。
不動産や経理の知識など、実践的な授業もあって、とても勉強になりましたが、何より、自分のプランを見直す、いいきっかけになりました。
そんなわけで、私の夢は、一時封印されたのです。

   *************************

○女性の夢の応援団「WWB」

そして、歳月が流れ・・・
2006年、「パンケーキ・カフェ」がいよいよオープン間近になったころ、「いざ!リベンジ!」とWWBにも相談に行きました。
なんと、代表の奥谷さん、私のことを覚えていて下さいました!
そして、WWBのイベント「起業家ゆめ見本市」に、参加させてもらうことになったのです。

それは、会場で1日、起業家の卵たちが、来場者に、実際に商品やサービスを提供し、率直な感想をもらうという企画。自分たちの考えたものが、果たして、みんなに受け入れられるのか、という小さなマーケティングです。

私は、もちろんパンケーキを出店。でもこれが、私にとって、本当の試金石になりました。

なぜなら、この会場で、私を知っている人は誰もいないから。
過去、たくさんのお客さんに来ていただいた「1日カフェ」。それは、ほとんど私のblog「パンケーキ・カフェ」で、私を応援してくれていた読者でした。みな最初から、私のパンケーキが食べたいと、来てくれたのです。

でも、今回は違います。お客さんにとって、私は出店者のひとりで、「なんだかホットケーキみたいなものを焼いている人」(?)です。
だからこそ、パンケーキを見て、どう思ったか、食べてどうだったか、すごく気になるではないですか!

結果は、50食は完売(まずは、よしよし・・)。
来場者アンケート、第1位!(えっ、ホント?!)
そのほとんどが「美味しかった」「また食べたい」という好評価でした。
「あぁ、やってよかった!」と、興奮さめやらぬ1日。
「どんなトッピングで食べたいか」という、参考になる意見もいただきました。

WWBのみなさんには、その後、店がオープンしてからも、スタッフに食べに来ていただいたり、宣伝してもらったりと、応援をいただいています。

前回の「スクーリングパッド」でも、少し書きましたが、起業に必要なものといえば、「お金」「情報」、そして「人」ではないでしょうか。逆にいえば、「人」を集められれば、「お金」と「情報」は付いてきます。

WWBでは、「起業家応援オークション」というユニークな制度もあります。
起業したい人が、自分の想いや事業プラン、起業する上で自分に足りないもの、応援してほしいことを、会場に呼びかけ、賛同者を募るというもの。

賛同者は、お金に限らず、モノ、情報、労力など、自分たちが応援できることを提供します。たとえば、カフェに賛同する人が、「私はお金は出せないけど、エスプレッソ・マシーンなら提供できるわ」でも、いいんです。
・・・そうやって、たくさんの夢が現実になっていく。

「パンケーキ・カフェ」の夢を実現した私も、これからは、そうした夢の応援団になっていきたいと思っています。(つづく)
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(「起業家ゆめ見本市」では、ホットプレートで、パンケーキを実演販売)

●WWBジャパン
※1990年に設立された女性起業家に対する世界的支援ネットワークの日本支部。東京では2ヶ月に一度、また全国各地でも「起業家スクール」を開催している。6000人の卒業生のうち1000人以上が起業家として活躍中。またスタッフ自らが恵比寿でカフェを経営し、卒業生との協働イベントも随時開催している。市民バンクを利用した飲食業の数と事例は、融資案件146件中、飲食は33件。

※この記事は、「カフェ&レストラン 4月号」(2008年)に掲載させていただいたものです。
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by pancakemama2 | 2008-04-07 15:35 | voivoiができるまで(連載)
c0159301_15192563.jpg「カフェをやりたい。でも、とりあえず何をしたらいい?」

こんなとき、夢と現実の橋渡しをしてくれるのが、巷の起業家スクールや、カフェオーナー養成学校など、ですよね。

実は、私も、voivoiをオープンする前に、こうしたビジネススクールやセミナーのお世話になりました。話が少し前後しますが、今回はこうしたスクールのお話を少し。。

2006年、私がパンケーキ屋を真剣に考えはじめたころ、飲食業界でちょっと話題になったある学校がオープンしました。

それは「スクーリング・パッド」という、世田谷区の廃校になった旧池尻中学校内(世田谷ものづくり学校)で始まった、ちょっとユニークなプロジェクト。

「レストラン」「デザイン」「映画」といったテーマごとに学部が設けられ、毎回、第一線で活躍する著名人を講師を招き、お話をうかがい、ディスカッションをします。

後半は、自分たちでプレゼンテーションもするのですが、何といっても講師陣の顔ぶれがすごい! 

たとえば、レストラン業界なら、「バワリーキッチン」や「ロータス」などカフェブームを作った山本宇一さんや、「ワイアードカフェ」「CAFE 246」など、商業施設や他業種とのコラボレート・カフェを多数展開している「カフェ カンパニー」の入川秀人さん、「スープストック・トウキョウ」の仕掛け人、遠山正道さん、ニューヨーク発の「DEAN&DELUCA」を日本で展開している横川正紀さん、パティシエ界のカリスマ、辻口博啓さん、世界を舞台に活躍の場を広げていているデザイナーの森田恭通さん・・など(まだまだ書ききれませんが)、普通なら直接会うことは、なかなかできない大物ぞろい。

こうした人たちが、毎回、ビジネスを方向付ける羅針盤は何なのか、自分たちが何を大切にしているか、繁盛店に作るノウハウとは、などを経験に基づいて、熱く語ってくれるのです。
しかも、会場は元中学校。受講する生徒の方も、少なからず飲食にかかわりのある人たちばかりで、小さな教室に、大の大人がひざを突き合わせて、熱気でむんむんという状態です。
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この学校の記念すべき「1期生」になれた私は、わずか3ヶ月でしたが、いろいろな刺激を受けました。とくに開業の現実に踏み出す、最後の一押しになった気がします。
(写真は、卒業生を迎えてのディスカッション)

たとえば、「なぜパンケーキなの?」と聞かれれば、ただ「私が大好きだから」。
これって、社会的ニーズの裏付けも、コンセプトも何もないですよね(笑)。でも、講師のひとりの「自分の好きなものは、他にも好きな人が必ずいる」という言葉に、「よっし!」と勇気をもらいました。

ほかにも成功者たちの話には、一貫して、「自分の信じたものは、とことん極める」というスプリットがあるように感じたのです。

また、学部長の中村悌二さん(この方も、業界で有名な飲食店経営・プロデューサー)は、私が三軒茶屋の物件が見つけて、契約を迷っていたとき、すぐに駆けつけてアドバイスをくれました。プロの意見は、なにより貴重です。

そして、同じ「パンケーキの夢」を持ち、一緒に「1日カフェ」を成功させた「yumiちゃん」や応援してくれた仲間と出会えたのも、このスクーリング・パッド。また、voivoiの店の壁画を書いてくれた小林さんは、デザイン学部の1期生でした。

こうしたかけがえのない人脈を築くことができるのも、この学校の魅力。いまは6期生まで続いていて、私のほかにも、店を開いたり、新しい飲食ビジネスを始めるなど、活躍している人はたくさんいます。去年は、voivoiのすぐ近所に、2期生が「おでん屋」をオープンしました。

「学校に通えば、店をオープンできる」という、けっして短絡的なものではないけれど、アンテナを高くしていれば、共鳴し合う人たちがたくさんいる、ということでしょうか。

ちなみに、最後の授業は、個人プレゼンテーション。生徒は、自分たちの夢や企画、アイディアなどを披露します。

私のやったことは、教室に、卓上コンロと粉を持ち込んで、パンケーキを焼くこと!!黄金色に膨らんだパンケーキと甘い香りが、みんなのハートをわしづかみしたのは、間違いありません(笑)。

次回は、女性の起業家支援団体「WWBジャパン」のお話を。
(つづく)

●スクーリングパッド
●活躍する卒業生たちのネットワーク


※この記事は、「カフェ&レストラン 3月号」(2008年)に掲載させていただいたものです。
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by pancakemama2 | 2008-03-07 15:08 | voivoiができるまで(連載)