私のカフェができるまで Vol.10
2008年 02月 20日
オープンまで、あと2週間。肝心要のメニューは?というと、まだ決まっていませんでした。たとえメニューができても、今度は、効率のよいオペレーション(手順)も考えなければなりません。
そこで、強力な助っ人をお願いしたのです。某有名ベーカリー&カフェチェーンで、メニュー開発を担当していたHさん。いまは、コンサルタントの仕事をされています。
本当は、私のような小さなお店が、お願いできる方ではないのですが、「パンケーキで、人を幸せにしたい」という私の思いに、力強くうなずいて、「やりましょう!」と言って下さいました。
「パンのような食べ方で、パンケーキのメニューを作りたい」という私にとって、こんな頼もしい味方はありません。Hさんには、パンケーキに合うトッピングやソースなど、具体的なレシピを提案していただきました。そして、最終的に、私の理想の「食事系パンケーキ」が実現したのです。
それにしても、さすがプロ。私が苦手な、原価計算もあっという間です。でも何よりも、オープン前の不安でいっぱいの中、「大丈夫ですよ!」と、常に励まして下さったことで、どれほど勇気づけられたことか。
お店を始めるに当たって、つくづく大切だと思ったのは、人の縁です。こんなに小さなお店だって、自分ひとりでは何もできません。多くの人に助けられて、その感謝が積み上がって、お店も一人前になるのですね。
かくして、voivoiのメニューも、無事に出来上がっていきました。
私がこだわっていた点は、もうひとつ。できるだけアイテムを絞り込んで、メニューの数を限定すること。
何といっても、私はキッチン経験がほとんどゼロ。いたずらにメニューを増やしても、現場は混乱するだけです。それより、完成度の高いメニューを、一品一品確実に、丁寧に出していこうと考えました。
だから、voivoiのメニューは、基本の「バターミルク・パンケーキ」のほかは、食事系が3品、デザート系が3品、全部で7品。これがすべてです。
オープン当初、始めて来たお客様は、「たったこれだけ?」と、メニューをひっくり返しました。確かにパンケーキ専門店にしては、少なすぎ?(笑)。
実は、1年以上たった今も、このメニュー数は、ほとんど変わっていません。ところが、いまのお客様の反応は、「うわー、色々あって迷っちゃう!」になりました。
なぜでしょう。それだけ「食べたいと思うメニュー」がそこにあるということでしょうか。はたまた、食事系パンケーキが、一般に受け入れられてきたのかも知れません。そうだとしたら嬉しいですね。
******************
そして、2006年8月5日、私の「パンケーキママカフェ・VoiVoi」は、やっとオープンします。
オープンに当たり、私が決めていたことがありました。それは、オープン記念のノベルティグッズを配ったり、割引セールは一切しないこと。宣伝も全くしませんでした。
よく、オープン前に大々的に宣伝して、「オープン後の数日は、大賑わいをしたのに、その後は潮が引くようにお客さんが来なくなった」という話を聞きますよね。
スタッフにとっても、慣れないうちに、お客さんが押し寄せては、パニックになるばかり。それによって、サービスやメニューの品質が落ちては、逆に評判を落としかねません。怖い、怖い!
私のblog(パンケーキカフェ)で応援してくれているネットの読者にも、申し訳ないのですが、まだ告知しませんでした。「1日カフェ」のとき、準備が不十分でパニックになった、あの苦い経験。今度こそ、来ていただいたお客様には、心から笑顔になっていただきたい。
そんなわけで、私の店は、ある日ひっそりとオープンしました。
それでも、店を開けたとたん、お客さんが次々と入って来られたのには、ビックリ。みな地元のお客様で「いつ、オープンするのか、楽しみにしていた」というのです。いつの間にか、チェックされてたんですね~。
お店を継続する上で、大切なことは、地元のお客さんの支持を得ること。まだお客さんは、ポツポツでしたが、宣伝で人が詰め掛けるより、嬉しいことでした。
そして、お盆前にやっと私のblogにも「オープンしました」という告知を解禁。すると予想通り、次の日から「ネットを見ました!」というお客さんが現れ始め、週末には満席の状態に。なんて有り難いことでしょう。
私を含め、スタッフもようやく少し慣れはじめ、voivoiはよちよちながら順調に歩き始めたのでした。(つづく)
※この記事は、「カフェ&レストラン 2月号」(2008年)に掲載させていただいたものです。
そこで、強力な助っ人をお願いしたのです。某有名ベーカリー&カフェチェーンで、メニュー開発を担当していたHさん。いまは、コンサルタントの仕事をされています。
本当は、私のような小さなお店が、お願いできる方ではないのですが、「パンケーキで、人を幸せにしたい」という私の思いに、力強くうなずいて、「やりましょう!」と言って下さいました。
「パンのような食べ方で、パンケーキのメニューを作りたい」という私にとって、こんな頼もしい味方はありません。Hさんには、パンケーキに合うトッピングやソースなど、具体的なレシピを提案していただきました。そして、最終的に、私の理想の「食事系パンケーキ」が実現したのです。
それにしても、さすがプロ。私が苦手な、原価計算もあっという間です。でも何よりも、オープン前の不安でいっぱいの中、「大丈夫ですよ!」と、常に励まして下さったことで、どれほど勇気づけられたことか。
お店を始めるに当たって、つくづく大切だと思ったのは、人の縁です。こんなに小さなお店だって、自分ひとりでは何もできません。多くの人に助けられて、その感謝が積み上がって、お店も一人前になるのですね。
かくして、voivoiのメニューも、無事に出来上がっていきました。
私がこだわっていた点は、もうひとつ。できるだけアイテムを絞り込んで、メニューの数を限定すること。
何といっても、私はキッチン経験がほとんどゼロ。いたずらにメニューを増やしても、現場は混乱するだけです。それより、完成度の高いメニューを、一品一品確実に、丁寧に出していこうと考えました。
だから、voivoiのメニューは、基本の「バターミルク・パンケーキ」のほかは、食事系が3品、デザート系が3品、全部で7品。これがすべてです。
オープン当初、始めて来たお客様は、「たったこれだけ?」と、メニューをひっくり返しました。確かにパンケーキ専門店にしては、少なすぎ?(笑)。
実は、1年以上たった今も、このメニュー数は、ほとんど変わっていません。ところが、いまのお客様の反応は、「うわー、色々あって迷っちゃう!」になりました。
なぜでしょう。それだけ「食べたいと思うメニュー」がそこにあるということでしょうか。はたまた、食事系パンケーキが、一般に受け入れられてきたのかも知れません。そうだとしたら嬉しいですね。
******************
そして、2006年8月5日、私の「パンケーキママカフェ・VoiVoi」は、やっとオープンします。
オープンに当たり、私が決めていたことがありました。それは、オープン記念のノベルティグッズを配ったり、割引セールは一切しないこと。宣伝も全くしませんでした。
よく、オープン前に大々的に宣伝して、「オープン後の数日は、大賑わいをしたのに、その後は潮が引くようにお客さんが来なくなった」という話を聞きますよね。
スタッフにとっても、慣れないうちに、お客さんが押し寄せては、パニックになるばかり。それによって、サービスやメニューの品質が落ちては、逆に評判を落としかねません。怖い、怖い!
私のblog(パンケーキカフェ)で応援してくれているネットの読者にも、申し訳ないのですが、まだ告知しませんでした。「1日カフェ」のとき、準備が不十分でパニックになった、あの苦い経験。今度こそ、来ていただいたお客様には、心から笑顔になっていただきたい。
そんなわけで、私の店は、ある日ひっそりとオープンしました。
それでも、店を開けたとたん、お客さんが次々と入って来られたのには、ビックリ。みな地元のお客様で「いつ、オープンするのか、楽しみにしていた」というのです。いつの間にか、チェックされてたんですね~。
お店を継続する上で、大切なことは、地元のお客さんの支持を得ること。まだお客さんは、ポツポツでしたが、宣伝で人が詰め掛けるより、嬉しいことでした。
そして、お盆前にやっと私のblogにも「オープンしました」という告知を解禁。すると予想通り、次の日から「ネットを見ました!」というお客さんが現れ始め、週末には満席の状態に。なんて有り難いことでしょう。
私を含め、スタッフもようやく少し慣れはじめ、voivoiはよちよちながら順調に歩き始めたのでした。(つづく)
※この記事は、「カフェ&レストラン 2月号」(2008年)に掲載させていただいたものです。
by pancakemama2
| 2008-02-20 03:02
| voivoiができるまで(連載)