私のカフェができるまで Vol.5
2007年 07月 01日
さて、渋谷のコラボ・カフェで、1日カフェをなんとか終えた私ですが、肝心のお店の準備は?というと、全く白紙の状態でした。
でも、頭の中では、いろいろな構想が、ぐるぐる回っています。
どんなコンセプトのお店にしよう?
パンケーキ専門店、というだけでは弱いかな。北海道の小麦粉や農産物を使って、その土地のアンテナショップのような店はできないかな。
うん、うん、話題性があって、いいんじゃない。
そこで私は、北海道のある地方で税理士をされている方に、相談にいきました。でも、その方は、私の話をじっくり聞いた後、こう言ったのです。
「なぜそんなに北海道にこだわるの? 美味しいパンケーキを、みんなに食べてもらいたい、それだけでいいじゃない?」
ガーンと、打ちのめされました。。
そうだった。まずは、美味しいパンケーキありき、だった。
なのに、当時の私は、本気でパンケーキのレシピに取り組んでいませんでした。それより、マスコミウケしそうなキーワードを探して、店を飾り立てようとしていたのです。
本当に美味しいと思ってもらえるパンケーキを作ろう!ならば、きっとお客さんは来てくれる。あとは、お客さんがくつろげる空間をつくること。シンプルにそれだけでいいじゃない。
翌日から、私の日常は、家のキッチンで粉だらけになること。
そして家族は、毎日、山のようなパンケーキを試食させられるはめになりました(笑)。
たかがパンケーキ、されどパンケーキ。実際にやってみると、粉の配合は、1グラム単位で、まったく違うパンケーキになるのです。
パンケーキを美味しく膨らませるには、どうしたらいいんだろう?インターネットや本を調べても、美味しいスポンジの作り方は載っていても、パンケーキに関する資料は、ほとんどありません。どんな材料を、どれだけ使えばいいのかしら。薄力粉以外にも、強力粉、米粉、上新粉、コーンフラワー等など、あやゆる粉を試してみました。米国のレシピも研究してみました。
その中で、私が気になったもの。それが「バターミルク」。
バターミルクとは、生クリームからバターをつくる際に残る、脂肪分の少ないミルクのこと。瓶の中に、生クリームを入れて、ずっと振っていると、バターと水分に分離しますよね。その水分がバターミルクだったのです。
バターミルクは、ベーキングパウダーなどの膨張剤と化学反応を起こし、パンケーキをよりふっくらさせ、風味もアップさせる効果があるとか。
私が米国で食べたパンケーキにも、このバターミルクが使われていました。
「これだ!このバターミルクが欲しい!」
試しに、輸入のバターミルクを使ってみたら、理想に近い食感がでました。
でも、日本では、スーパーにも、食材専門店にも、どこにも売っていません。欧米では、普通に販売されていて、パンやお菓子づくりに使われているというのに。
国産のバターミルクは手に入らないのだろうか。バターがあるんだから、バターミルクは存在しているはず。
乳業メーカーに問い合わせてみました。
「あるにはありますが、特定のユーザー様にしか販売しておりません」
だめか。。私のレシピ開発は、暗礁に乗り上げました。
(つづく)
※この記事は、「カフェ&レストラン 9月号」(2007年)に掲載させていただいたものです。
*****************
★夢を引き継いで、巣立つvoivoiファミリー★
オープン後も、店を続けていられるのは、スタッフの支えがあるから。
ウチでは、彼らを「voivoiファミリー」と呼んでいます。
中には、将来カフェを目指している子たちもいて、ついにこの夏、スタッフ歴の長かったゆりちゃんが、巣立っていきました。彼女は、地元静岡で、年内に一軒屋カフェを開くのです。
そのゆりちゃんが、先月、あの渋谷のコラボカフェで、他のファミリーと一緒に、1日カフェを開きました。私も応援に駆けつけましたが、ぎこちない様子で、キッチンに立つその姿は、1年前の私そのもの(もっとも彼女たちの方が、ずっと出際がいいですが。笑)。
彼女は、どんなカフェのオーナーになるのでしょう。
新米ママの私では、教えられることはあまりなかったけど、「こんなママでもカフェができるんだ」と自信を得て、最後のひと押しになったとしたら、嬉しいです。
ウチから巣立ってくれて、ありがとう!
でも、頭の中では、いろいろな構想が、ぐるぐる回っています。
どんなコンセプトのお店にしよう?
パンケーキ専門店、というだけでは弱いかな。北海道の小麦粉や農産物を使って、その土地のアンテナショップのような店はできないかな。
うん、うん、話題性があって、いいんじゃない。
そこで私は、北海道のある地方で税理士をされている方に、相談にいきました。でも、その方は、私の話をじっくり聞いた後、こう言ったのです。
「なぜそんなに北海道にこだわるの? 美味しいパンケーキを、みんなに食べてもらいたい、それだけでいいじゃない?」
ガーンと、打ちのめされました。。
そうだった。まずは、美味しいパンケーキありき、だった。
なのに、当時の私は、本気でパンケーキのレシピに取り組んでいませんでした。それより、マスコミウケしそうなキーワードを探して、店を飾り立てようとしていたのです。
本当に美味しいと思ってもらえるパンケーキを作ろう!ならば、きっとお客さんは来てくれる。あとは、お客さんがくつろげる空間をつくること。シンプルにそれだけでいいじゃない。
翌日から、私の日常は、家のキッチンで粉だらけになること。
そして家族は、毎日、山のようなパンケーキを試食させられるはめになりました(笑)。
たかがパンケーキ、されどパンケーキ。実際にやってみると、粉の配合は、1グラム単位で、まったく違うパンケーキになるのです。
その中で、私が気になったもの。それが「バターミルク」。
バターミルクとは、生クリームからバターをつくる際に残る、脂肪分の少ないミルクのこと。瓶の中に、生クリームを入れて、ずっと振っていると、バターと水分に分離しますよね。その水分がバターミルクだったのです。
バターミルクは、ベーキングパウダーなどの膨張剤と化学反応を起こし、パンケーキをよりふっくらさせ、風味もアップさせる効果があるとか。
私が米国で食べたパンケーキにも、このバターミルクが使われていました。
「これだ!このバターミルクが欲しい!」
試しに、輸入のバターミルクを使ってみたら、理想に近い食感がでました。
でも、日本では、スーパーにも、食材専門店にも、どこにも売っていません。欧米では、普通に販売されていて、パンやお菓子づくりに使われているというのに。
国産のバターミルクは手に入らないのだろうか。バターがあるんだから、バターミルクは存在しているはず。
乳業メーカーに問い合わせてみました。
「あるにはありますが、特定のユーザー様にしか販売しておりません」
だめか。。私のレシピ開発は、暗礁に乗り上げました。
(つづく)
※この記事は、「カフェ&レストラン 9月号」(2007年)に掲載させていただいたものです。
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★夢を引き継いで、巣立つvoivoiファミリー★
オープン後も、店を続けていられるのは、スタッフの支えがあるから。
ウチでは、彼らを「voivoiファミリー」と呼んでいます。
中には、将来カフェを目指している子たちもいて、ついにこの夏、スタッフ歴の長かったゆりちゃんが、巣立っていきました。彼女は、地元静岡で、年内に一軒屋カフェを開くのです。
そのゆりちゃんが、先月、あの渋谷のコラボカフェで、他のファミリーと一緒に、1日カフェを開きました。私も応援に駆けつけましたが、ぎこちない様子で、キッチンに立つその姿は、1年前の私そのもの(もっとも彼女たちの方が、ずっと出際がいいですが。笑)。
彼女は、どんなカフェのオーナーになるのでしょう。
新米ママの私では、教えられることはあまりなかったけど、「こんなママでもカフェができるんだ」と自信を得て、最後のひと押しになったとしたら、嬉しいです。
ウチから巣立ってくれて、ありがとう!
by pancakemama2
| 2007-07-01 20:43
| voivoiができるまで(連載)