私のカフェができるまで Vol.17
2008年 11月 03日
〇「おばぁちゃんも、ウェルカム!」
「voivoiは、どんなお客様が多いのですか?」
取材などで、よく受ける質問です。
パンケーキというと、当然若い女性が多いのですが、オープンして分かったことは、意外に、年配の方にも人気だということ。
それも、お年寄りの受けがいいのです。
ある日は、87歳というおばぁちゃんが、娘さん(もおばぁちゃん)と一緒にやってきました。
そして「チーズフォンデュ・パンケーキ」を注文されたのです。
「大丈夫かしら。食べられるのかしら」と心配していると、「お箸を下さい」というリクエスト(笑)。
「はい、はい!」とお持ちすると、お箸を上手に使って、パンケーキを切り分け、パクパク召し上がり、なんと完食されました!
キッチンでは、密かに拍手喝采!
三軒茶屋という場所がら、下町なので、お年寄りも多いのですが、店の前を通りかかるおばぁちゃんたちも、興味津々で店を覗き込んでいきます。
「おばぁちゃん、どうぞ、ウェルカム!」
おじいちゃんより、おばぁちゃんが多いのは、やはりいくつになっても、女性は、食へのあくなき探究心が強いのでしょうか(笑)。
でも、考えてみれば、「パンケーキ」は、年配の方から見れば、「ホットケーキ」のようなもの。けっして馴染みがないわけではありません。
しかも、とっても柔らかいので、歯の弱いお年寄りにも、楽に食べられます。
気に入っていただいたおばぁちゃんが、「今度は、孫を連れて来るわね」と言って、お孫さんとツーショットで来ることもあります。
また、「うちのおばぁちゃんは、ホットケーキが好きだから」と言って、親子3代の大家族で、ご来店される方もいます。
パンケーキって、なんて素敵な食べ物なんでしょう!
まだまだパンケーキは、認知され始めたところですが、もしかしたら、地方に行っても、ちゃんとお年寄りのニーズを確保できるかもしれません。
ただ「量が多くて、食べきれないわ」という声もしばしば。「キッズ・パンケーキ」ならぬ、「シルバー・パンケーキはないの?」というリクエストの声もあり。
うーん、これは、ちょっと難しい。検討課題です。
〇子供たちの未来にも、パンケーキを
さて、そんなお年寄りにも愛されるパンケーキですが、もちろん、お子様にも大人気!
店の前で、「パンケーキ食べた~い!!」と叫んでいる子供の手を引いて、ドアから引き剥がそうとするご父兄もしばしば(笑)。
voivoiでは、そうしたお子様に食べてもらおうと、オープン当初から、キッズメニューを用意しています。ミニパンケーキに、アイスクリーム、フルーツ、ジュースが付いた、とってもお得なセット。
パンケーキには、粉糖で、パンケーキママの顔が描いてあるので、席に運ぶと、「わ~可愛い!」とお子様も、お母さんも大喜びしてくれます。
ただ、「お子様ウェルカム!」の店には、いろんなリスクもあります。
ジュースや食べ物をこぼされたり、備品が壊されることは日常茶飯事。お母さんの元を離れて、店内を歩きまわる子供たちは、こちらも目が離せません。
また、voivoiでは、ベビーカーもOKなので、赤ちゃんの泣き声が始まると、小さな店内は騒然。他のお客様のことも気になります。
最近のカフェの中には、「12歳以下のお子様は、お断り」としているところも増えています。
それって、私もよく分かります。
店側の理由もありますが、お客様の中には、「せっかくカフェで、ゆっくりお茶をしようと思っているのに、子供が気になって落ち着かない」という方もいらっしゃるでしょう。
voivoiでも、お子様の隣は避けたいというお客様もいます。
でも、私は願うのです。
週末、小さな子供たちが、パパやママに連れられて、嬉しそうにパンケーキをほおばっている家族の光景は、見ているこちらも微笑ましい気持ちになります。
voivoiでパンケーキを食べた子供たちが、将来大人になったとき、楽しかった子供のころの家族の思い出のひとつに、voivoiのパンケーキがなってほしい。
子供たちが、大人になったころ、voivoiはあるかどうか分からないけど、大人になって、どこかでパンケーキを食べた時、その幸せな記憶が蘇ってほしい。
そう、パンケーキは、人を幸せにする食べ物、だから。子供たちの未来にも、幸せなパンケーキがありますように!
「子供からお年寄りまでに愛されるパンケーキ!」
この20席足らずの小さな店で、この幅広い客層を受け入れようとするのは、欲張りな願いかもしれません。
でも、パンケーキを通じて、見知らぬお隣さんとも、世代を超えて、幸せを共有できれば・・・、こんな嬉しいことはありません。
(つづく)
※この記事は、「カフェ&レストラン 11月号」(2008年)に掲載させていただいたものです。
「voivoiは、どんなお客様が多いのですか?」
取材などで、よく受ける質問です。
パンケーキというと、当然若い女性が多いのですが、オープンして分かったことは、意外に、年配の方にも人気だということ。
それも、お年寄りの受けがいいのです。
ある日は、87歳というおばぁちゃんが、娘さん(もおばぁちゃん)と一緒にやってきました。
そして「チーズフォンデュ・パンケーキ」を注文されたのです。
「大丈夫かしら。食べられるのかしら」と心配していると、「お箸を下さい」というリクエスト(笑)。
「はい、はい!」とお持ちすると、お箸を上手に使って、パンケーキを切り分け、パクパク召し上がり、なんと完食されました!
キッチンでは、密かに拍手喝采!
三軒茶屋という場所がら、下町なので、お年寄りも多いのですが、店の前を通りかかるおばぁちゃんたちも、興味津々で店を覗き込んでいきます。
「おばぁちゃん、どうぞ、ウェルカム!」
おじいちゃんより、おばぁちゃんが多いのは、やはりいくつになっても、女性は、食へのあくなき探究心が強いのでしょうか(笑)。
でも、考えてみれば、「パンケーキ」は、年配の方から見れば、「ホットケーキ」のようなもの。けっして馴染みがないわけではありません。
しかも、とっても柔らかいので、歯の弱いお年寄りにも、楽に食べられます。
気に入っていただいたおばぁちゃんが、「今度は、孫を連れて来るわね」と言って、お孫さんとツーショットで来ることもあります。
また、「うちのおばぁちゃんは、ホットケーキが好きだから」と言って、親子3代の大家族で、ご来店される方もいます。
パンケーキって、なんて素敵な食べ物なんでしょう!
まだまだパンケーキは、認知され始めたところですが、もしかしたら、地方に行っても、ちゃんとお年寄りのニーズを確保できるかもしれません。
ただ「量が多くて、食べきれないわ」という声もしばしば。「キッズ・パンケーキ」ならぬ、「シルバー・パンケーキはないの?」というリクエストの声もあり。
うーん、これは、ちょっと難しい。検討課題です。
〇子供たちの未来にも、パンケーキを
さて、そんなお年寄りにも愛されるパンケーキですが、もちろん、お子様にも大人気!
店の前で、「パンケーキ食べた~い!!」と叫んでいる子供の手を引いて、ドアから引き剥がそうとするご父兄もしばしば(笑)。
パンケーキには、粉糖で、パンケーキママの顔が描いてあるので、席に運ぶと、「わ~可愛い!」とお子様も、お母さんも大喜びしてくれます。
ただ、「お子様ウェルカム!」の店には、いろんなリスクもあります。
ジュースや食べ物をこぼされたり、備品が壊されることは日常茶飯事。お母さんの元を離れて、店内を歩きまわる子供たちは、こちらも目が離せません。
また、voivoiでは、ベビーカーもOKなので、赤ちゃんの泣き声が始まると、小さな店内は騒然。他のお客様のことも気になります。
最近のカフェの中には、「12歳以下のお子様は、お断り」としているところも増えています。
それって、私もよく分かります。
店側の理由もありますが、お客様の中には、「せっかくカフェで、ゆっくりお茶をしようと思っているのに、子供が気になって落ち着かない」という方もいらっしゃるでしょう。
voivoiでも、お子様の隣は避けたいというお客様もいます。
でも、私は願うのです。
週末、小さな子供たちが、パパやママに連れられて、嬉しそうにパンケーキをほおばっている家族の光景は、見ているこちらも微笑ましい気持ちになります。
voivoiでパンケーキを食べた子供たちが、将来大人になったとき、楽しかった子供のころの家族の思い出のひとつに、voivoiのパンケーキがなってほしい。
子供たちが、大人になったころ、voivoiはあるかどうか分からないけど、大人になって、どこかでパンケーキを食べた時、その幸せな記憶が蘇ってほしい。
そう、パンケーキは、人を幸せにする食べ物、だから。子供たちの未来にも、幸せなパンケーキがありますように!
「子供からお年寄りまでに愛されるパンケーキ!」
この20席足らずの小さな店で、この幅広い客層を受け入れようとするのは、欲張りな願いかもしれません。
でも、パンケーキを通じて、見知らぬお隣さんとも、世代を超えて、幸せを共有できれば・・・、こんな嬉しいことはありません。
(つづく)
※この記事は、「カフェ&レストラン 11月号」(2008年)に掲載させていただいたものです。
by pancakemama2
| 2008-11-03 13:08
| voivoiができるまで(連載)